日本の木の家づくり(株)中島工務店

リノベーションで叶える強く・暖かく・自分らしい家
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丁寧な聞き取り*精密な診断

お客様の要望を丁寧に聞き取り、現在の住宅の状況を精密に診断し、技術的な可能性を最大限考慮して暮らしに合わせてに再構築する。それが中島工務店のリノベーションです。新築より手間も時間もかかりますが、私たちはこの手順が大切だと考えています。最近ではこのように手間ひまかけるリノベーションも知られるようになってきましたが、まだまだ「どうして?どんなことをするの?」と思っている人も多いようです。建築業界でも「新築より難しい」とされるリノベーションについて、当社の設計士・香田雅紀に聞きました。

香田雅紀(こうだ まさのり)

一級建築士
一級建築施工管理技士
既存住宅状況調査技術者
耐震診断・耐震改修資格者
住宅医スクール修了

年月を経た建物を
暮らしに合わせてつくり直す

――リノベーションとは何ですか。

汚れたり傷んだり、劣化した部分を元の状態に回復することをリフォームといいますが、それに加えてその住宅の機能や価値を元の状態以上に向上させることをリノベーションといいます。具体的には、間取りやデザイン、耐震・断熱などの性能を刷新して、これからの暮らしに合わせてつくり直します。

――年月を経た家を暮らしに合わせて変えられるということですね。

その通りです。住み慣れた家でも年月が経てば家族構成やライフスタイルが変わるので、使い勝手が悪くなるのは当然です。リノベーションをおすすめしたいのは、「使いにくいなぁ」と思いながら我慢して暮らしている人。建物に合わせて暮らすのをやめ、建物を暮らしに合わせてつくり直しましょう。

リノベーションは設計の
自由度は低く、難易度は高い

――リノベーションは新築より難しいとされますが、何がそんなに難しいのですか。

既存建物を調査し、その調査結果に基づいて計画しなければならない点が最も難しいといえます。新築は法規の範囲内ならゼロから自由に計画できますが、リノベーションでは今ある建物の状態を把握した上で、お客様の希望をどのように実現していくか工夫しなくてはいけません。設計の自由度は低く、難易度は高いのがリノベーションです。

――既存建物の状態によってできることが変わるわけですね。

既存建物は建った年代によって様々です。木造か鉄骨造か、どんな材料を使っているかも異なり、立地条件やどのくらい手入れされていたかによって劣化状況も違います。1棟1棟違う建物を相手に、まずは構造がどの程度強いか、雨漏りしていないか、腐っていないかなどその建物の状態を把握し、その上で、お客様の要望を鑑みて何ができるかを設計していきます。

――既存建物を活かすのがそれほど難しいとは・・・。

どうしても既存建物の構成や劣化部分の直し方に、設計が縛られてしまいます。住宅はデザインや使い勝手以前に住まい手の命と健康を守るものですから、まずは構造から考えなくてはいけません。基礎ひとつとってもほんの20年前まで鉄筋が入っていないのが当たり前でしたし、50年以上前なら石が置いてあるだけです。構造上抜いてよい柱もあれば、抜きたいのに絶対に抜いてはいけない柱もあります。それら個別の状態を的確に判断して、安心・安全・快適に暮らせるように改修する方法を導き出さなくてはいけません。
階高や水廻りの配管経路など変更が難しいものもあり苦労しますが、工夫して内部構成を考えるのがリノベーションの醍醐味でもあります。

インスペクションvs
耐震診断vs
中島工務店の精密診断

――中島工務店のリノベーションの流れを見ると2度調査があります。違いを教えてください。

ご相談いただいた初期の段階で行う「現地調査」と、精密診断のために行う「精密調査」があります。「現地調査」は無料で、目視で確認できる範囲でお客様の要望を叶えられるかどうか判断するために行います。2回目の「精密調査」は有料で、旧耐震の建物では必ず受けていただかなくてはいけません。30万円で精密調査・診断をし、それを踏まえた改修案を提案します。
※旧耐震:1981年5月31日まで適用された旧耐震基準。現在の基準を満たさないため、国が耐震改修を推進している。

――精密調査ではどんなことをするのですか。

小屋裏や床下を含めて、すべての構造・材料・劣化状況を確認します。各部屋の寸法、構造の組み方、下地や仕上げ材、基礎や壁のひび割れや屋根瓦の浮きなど劣化状況、配管や配線経路と劣化状況など細部まで調査・記録します。屋根に上ったり、必要に応じて床など一部を壊しながら内部を調べるので、建物の規模にもよりますが、スタッフ2~3人で1~2日かかります。


小屋裏や床下まで調査する

――既存住宅の診断というとインスペクションや耐震診断がありますが、中島工務店の精密診断との違いを教えてください。

既存住宅の診断は、2015年に国土交通省が策定した「既存住宅インスペクション・ガイドライン」で3段階に定義されています。
●既存住宅状況調査は目視による一次的なインスペクション。一般的に「インスペクション」と言われるのはコレ。
●耐震診断を含む既存住宅診断は二次的なインスペクション。自治体が行う「耐震診断」はコレ。
●性能向上を目的とした性能診断を行う三次的なインスペクション。
中島工務店の精密診断は三次的なインスペクションに近いですが、さらに改修方法まで提案するもので「住宅医」のメソッドを活用しています(住宅医については後述)。


国土交通省「既存住宅インスペクション・ガイドライン」に基づいて作成。

――インスペクションでは具体的にどんな調査をするのですか。

既存住宅状況調査(インスペクション)は目視で行います。既存住宅状況調査技術者という有資格者が、基礎や外壁など構造部分の劣化状況を調べます。「雨漏りの跡がある、基礎にひび割れがある」といった調査結果を報告しますが、瑕疵があるかどうかの判断や各種法律に適合しているかどうかの判定はしません。およそ3時間程度、数万円で受けられます。

――インスペクションで大きな問題がなくても、構造強度が十分だというお墨付きではないのですね。

そこまでの判断は業務に含まれていません。

――耐震診断はどうですか。

耐震診断は耐震診断・耐震改修資格者が行うもので、一般耐震診断と精密耐震診断があります。
一般耐震診断は目視調査で基礎や屋根・外壁の材料やひび割れなど劣化状況を確認し、規定の方法で上部構造評点(Iw)を算出します。評点(Iw)が1.0以上なら「一応倒壊しない」という判定で、1.0に満たない場合は改修方法の提案も一緒にもらえます。旧耐震の住宅の一般耐震診断には、自治体から補助金・助成金が出ることが多いです。
精密耐震診断は壁や天井の一部を壊すなどして、内部構造まで確認します。費用は20~50万円程度が一般的です。

住宅医のメソッドで精密診断、
6つの性能を改善

――中島工務店の精密診断は住宅医のメソッドを活用しているとのことでしたが、住宅医とは何ですか。

建築病理学に基づいて既存住宅の問題点(病理)を把握し、それを治す、住まいのドクターです。既存住宅の調査・診断・改修設計の専門技術を身につけたリノベーションの専門家で、民間資格ですが、リノベーションに力を入れている住宅会社・工務店に普及しつつあります。

――具体的にはどんなことをしてくれるのですか。

まずは先ほどご紹介した精密調査を実施し、その調査結果から劣化対策(耐久性)・耐震性・断熱性・省エネルギー性・バリアフリー性・火災時の安全性という6つの性能について分析、診断します。さらに診断結果を踏まえて改修提案も作成、改修後の性能も提示します。
中島工務店は見た目を新しくするだけでなく、安心・安全・快適に暮らしていただくために必要な性能を根拠を持って提案するために、住宅医のメソッドを活用しています。

――旧耐震だと精密診断が必須とのことですが、部分的な改修でも必要ですか。

建物は全体として必要な構造強度を保てるようにできています。部分改修でも、そこを触ることによって全体のバランスが崩れてしまうので、全体がどのようになっているか、どうすれば部分改修後に建物全体の強度が保てるかを検証しなくてはいけません。
また、年月を経た建物は図面がないものも多く、どこが構造上重要な柱・壁なのか、壊していい壁はどれなのかも全体を詳細に調べなくてはわかりません。図面があっても新築当初に比べるとあちこちで劣化が進んでいますから、いま現在どれくらいの強度があるのか把握するためには、やはり全体を調べる必要があります。

――新耐震の場合は精密診断は不要なのでしょうか。

住宅医のメソッドに基づく精密診断は不要です。ただし、現在の耐震基準になったのは2000年6月です。それ以前に建った建物は新耐震でも耐震性能は十分といえない場合があります。新耐震の住宅に適した耐震診断プログラムもありますので、ご相談ください。

技術重視、
じっくり考えたいならお任せください

――中島工務店の新築では丁寧な造作が特徴のひとつですが、リノベーションでもそれは活かされていますか。

リノベーションでも大工や造作工場の技術を活かして、造付家具をたくさん取り入れています。古民家再生などでは元の家の建具や欄間などをリノベーション後の建物に意匠として取り入れることもありますし、カウンターや書棚、テレビボードなどの造付家具はその家らしさを表現するものとしてとても喜んでいただいています。

――調査から設計、施工まで手間ひまかけるのが中島工務店のリノベーションだといえますね。

キッチンやユニットバスの入れ替えといったリフォームでは、費用もスピードも一部のリフォーム専門業者には敵いません。けれども、技術的・デザイン的にじっくり検討して、納得して施工したいならぜひ弊社にご相談いただきたいと思います。専門家として身に着けてきた知見を精一杯発揮して対応いたします。

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